あとがき


『プラネタリウム』のあとがきです。
 オンライン上で読む小説ということで、簡単かつ少ない描写で肩肘張らない話を目指した今作品。
 十ヶ月間通して書き上げて、最も思い入れが深い作品となりました。
 現代長編のあとがきは統一してあとがきへの二十の質問で答えさせていただきます。


1:この小説を書き終えた、今現在の心境を一言で簡潔に言い表してください。

 今まで、ありがとう。お疲れ様、雄太達。



2:この小説を書く上で、一番書きやすかったところはどこですか?

 やっぱり体育大会や学校祭などイベントごとですね。



3:この小説を書く上で、一番苦労したところはどこですか?

 夏休みや冬休みが一番困りました……頑張ってネタをひねり出しました。



4:ボツにしたタイトル、仮タイトル、執筆中のコードネームなどありましたら教えてください。

 特にありません。プラネタリウムのままです。



5:タイトルの由来(意味)は何ですか?

 空を見上げるとそこにある星々のように、雄太を中心に集まっていく友人達、という感じでつけました。



6:この小説を書き始めるきっかけはなんでしたか?

 そもそも公務員試験勉強中の完全な息抜きでした。書く習慣をつけるためにあまり頭をひねらない話を書いていきたかったのです。



7:この小説を書く上で、何か影響を受けたもの(他の作品や、他媒体の創作物など)はありますか?

 自分の高校時代を思い起こしながら書きました。イベントごとやガラナはそこから来ています。



8:これがあったから、この話がかけました!(これがなかったら、かけませんでした!)というものはありますか。

 創作日記じゃなかったら無理だったな……。
 あと、意外と読まれていたので途中で止めるという選択肢がなくなったので、読者様のおかげです。



9:ボツにしたストーリー展開を教えてください。

 ところどころ、オチを書けなかった部分があります。次の回にどうなったか? と軽く説明することが何度か。



10:プロット(思惑)どおりに進みましたか?

 進んだといえば進みました。元々曖昧なプロットだったので肉付け肉付け。



11:これが書きたくてこの話を書きました、という部分はどういうものですか?

 渚かな。結局、この話は渚が一歩前に進み出すための話でした。



12:一番こだわったところはどこですか?

 渚の過去を語る裕美のシーン。気づけば雄太に体を預けていました。



13:一番好きなキャラクターと、一番嫌いなキャラクターを、理由つきで教えてください。

 誰もが好きです。でも支倉が一番。彼がいなかったら話は続かなかった。
 イベントが起こるたびに彼に「いよいよだな」と話させることで日常ののほほんからスイッチを切り替えるきっかけになったと思う。



14:実際にいたら嬉しいキャラクターと、実際にいたら厭なキャラクターを教えてください。

 支倉君だな……馬鹿騒ぎキャラは好きなのです。嫌なキャラって長編を通していないですね……今までは。



15:この人にはこの言葉を言わせたかった!という台詞をキャラ別にどうぞ(実際に言わせていなくてもOK)。

 高瀬雄太「人生ってこんなもんだよなぁ」
 中村渚「友達になって、くれますか?」「わたしは、人殺しだから」
 青島裕美「表面だけの友情なら、わたしはいらないのよ」

 くらい。かなりその場その場で考えたからうろ覚えだけれど、当初から言わせたかったのはこの三人でこの台詞ですね。



16:この小説の登場人物たちを使って、別の話を書く予定はありますか?

 梓や一紗(渚の妹二人)を主役に添えて話を考えていたりはしますが、未定です。
 ただ、現代長編は微妙にリンクさせていきたいので、他の話にちょっとだけでも出てくる可能性はあります。



17:この小説の中でこの部分が一番会心の出来なのです! というシーン(か台詞)を抜粋してください。


 青島の言葉に含まれる感情が徐々に俺に伝わってくる。
 言葉を聞いて、顔を見るだけで分かるほどの感情……。
 それは恐怖だった。
 顔を青ざめさせて、泣きそうになりながら言葉を続ける青島に、もういい、と言ってあげたかった。でも、俺の口は動かない。

「別にいじめとかじゃなくて、精神的に離れたというか。いつもは一緒にいるんだけど、当り障りの無いことしか話さなくなった。休み時間なんてもう話しかけもしなかった。渚はその事についても何も言わなかった。というか、気にしている様子もなかったの」

 最初に言葉の中に見えたのは純粋な恐怖だった。理解できないものに対する恐怖。
 でも、そこへ徐々にだけれど、別の感情も浮かび上がってくる。
 激しい後悔の念だ。

「わたしはさ、渚から離れる事にも、耐えられなかった。わたしなら、きっと理解できるって自分に言い聞かせて、渚の傍に戻ったのよ。渚は何も言わなかった……普通に接してくれた。離れていたことなんてなかったかのように」
「…………」

 信じられなかったけれど、青島の様子ではもちろん嘘を言っていないことは明らかだ。
 俺には理解できないほどの衝撃を受けて、友達の誰にも相談しないで、そして何もなかったかのように振舞っていた過去の中村。
 たった十三歳の女の子が、たった一人で耐え抜いて、表に苦しみを出さないよう振舞えるまでになったなんて、想像出来ない。
 まだ自分の両親も爺ちゃんも婆ちゃんも生きている。
 身近で死んだ人がいない。死は、俺にはまだ想像上のものでしかない。
 ただ、想像出来ないほど辛いことなんだとしか、考えられない。

「渚はね、中学一年までは今のような性格じゃなかったのよ。皆を楽しませるとかなんて目立とうとしなくて、ただいるだけで何となく幸せになる雰囲気みたいなものを持ってるだけだった。でも……三村君が死んでから、必要以上に明るくなって、皆を笑わせようとしてた。それは……多分、そうやって皆から本心が見えないようにしていたんだと思う。そしてその本心を、一度離れてから戻ってきたからこそ、わたしには見えたんだと思う」

 気づけば、俺は青島を抱きしめていた。言葉を口から吐き出すたびに、青島の体中から血が噴出しているように見えたから。



 やっぱりここかな……告白のシーンは考えていたけど、どんな展開にするかはその場で考えました。自然と、雄太が裕美を抱きしめました。



18:この小説で取り上げたテーマやアイデアに、もう一度別の形で挑戦してみたいですか?

 そうですね。毎日書いて更にクオリティも徐々に上げていきたいものです。



19:何か、これだけはしておきたい言い訳というのはありますか?(笑)

 日記連載でした……



20:最後に一言どうぞ!

 日記連載で駄目だったところを直してアップしてました。日記連載だけ読んでいた方、申し訳ないです。
 ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!





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