―――――――「どこに行ったんだ、デイジーの死体は……」

        ラーレスは訳が分からないというように頭を振った。

        椅子の横には車椅子が静かに存在していた。ただし、そこにあるべき主の姿がどこにも

        無かった――――――





 深まる謎。





―――――――「何なの・・・・・・何なの・・・・・・何なの・・・・・・」

        ミリエラの衣服は既に大量の雪が付着している。冷たくなった衣服はミリエラの体温を

        奪っていった。

       「私、は……」――――――





 深まる混乱。





―――――――「聞きたいことがあるの」

        しばらく黙っていたルシータが不意に口にした言葉はそれまでのどこか迷いのあるもの

        とは明らかに違った。

       「何だ?」

        レギンスはその表情を崩さずに先を即す。しかしそれは次の瞬間、揺らぐ事になる。

       「母さんを、最後まで愛してた?」――――――





 深まる想い。







 クレルマスへと着いたヴァイ一行。

 しかしそこで待っていた意外な事実に一行は驚きを隠しきれない。

 更にそれはこれから始まる破滅への序曲でもあったのだ。







―――――――「ヴァイさん」

        ミリエラは意志の強い光を向けてきた。ヴァイはその眼になんとなく覚えがある気がす

        る。なんとしてでも、誰かを止めようとしている者が持つ瞳の光。

       「エスカリョーネは、復活させようとしているんです」

        ミリエラの体が震える。瞳の強い光とは裏腹に体は恐怖のために震えているようだ――――――





 遂に片鱗を見せる最大の敵。

 世界の危機はすぐそこまで迫ってきていた。





――――――エスカリョーネは再びピアノに向かい、弾き始めた。

      先ほどと同じ旋律が、正確に言うと先ほど途中で止めた小節の次からエスカリョーネは

      曲を紡いだ。

     「これは『エンドレス・ワルツ』。全ては運命の輪の中で起こる事。けして、それは変

      える事はできない。全ては一つから始まり、一つに集束していく………」

      エスカリョーネは流れるように、歌うように言葉を紡ぐ――――――





 次回、エンドレスワルツE「過去からの亡霊が紡ぐ狂想曲」





 ――――――ただ、あの娘を救いたかっただけなんだ――――――











           INTERMISSION

 今回も疲れました。

 次回の話と連続になっているので結局ページ数が合わなくてこの回は少なくなってしま

いました。

 自分としてはあまりできのいい作品ではなかったように思います。

 そのかわり次の話はより気合入れて書きます!

 さて、やっとここまで来ました。

 もう折り返し地点に入っているところです。

 次回はかなり重要な話になるので、さあ巧く書けるでしょうかね?

 次もおそらく三ヵ月後、10月頃に会いましょう………。





 ENDING SONG 『Brotherfood』 From B'z




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