『するめ』 そこは円卓を中央に座した広間だった。明かりは部屋の四隅にあるかがり火。全体を照らすには薄暗く、円卓につく四人は互いの顔を見ることは出来ない。しかし、四人は十分すぎるほどの存在感を感じていた。 ( ̄x ̄).。oO(眠れぬ……) 紅月(あかつき)は円卓に肘をつき、顎の下に両掌を置いてぼんやりとしていた。時刻は体内時計で二時を指している。実際の時間は知らないが、彼は自分の体内時計が実際時間と年に二秒しかずれないことを経験上知っていた。いつもなら二時間は寝ているところだが、夕食時に食べ過ぎた松坂牛が胃腸からまだ出たがっているらしい。腹がきゅるると反乱するために脳が活性化していた。 そんな紅月の前に現れた男がいた。紅月から見て左側にいた人影がいつの間にか隣に立っている。その男――ぐらうべは言った。 (`・ω・´)「にぼしをくれ。にぼしを食わないとひからびて死んでしまうのです」 (# ̄x ̄)「お前はスルメでも食べていろ」 そうして紅月はポケットからスルメを取り出した。酒の肴としていつも持ち歩いているが、今晩は夕食を食べ過ぎたために酒は飲んでおらず、手付かずに残っている。 Σ(`・ω・´)ノ「スルメじゃない、煮干が欲しいんだ!」 ぐらうべは真夜中なのに喚く。丑三つ時でさらにこの部屋は一戸建ての中ではない。下にも部屋がある。 チッ( ̄x ̄)「結局アナタの欲しい物はニボシなの? スルメなの? それともクサヤなの?」 下の住民に激しく迷惑をかけているぐらうべに紅月は某池の女神のように言った。もうほとんど相手にする気はない。隣で騒ぐぐらうべの熱気に当てられてか、それまで降臨しなかった眠気が紅月の脳の隙間へと染み込んでいく。 (#ノ`・ω・´)ノ「だから煮干じゃけん!」 どこかの方言を用いて紅月の襟首を掴んだぐらうべだったが、紅月は「未熟者!」と柔術を用いて床をぶち抜いた。手首を捕まえて足を払い、遠心力を用いての背中から叩き付ける。しかしぐらうべは剣道を用いて見事受身。紅月から見て右側に座っていた古出のΣ( |||||)っ/[えー]にも全く動じない。 そこへ現れた最後の一人は夢の女神であるとどさんだった。 夜を、空間を操り人々に甘く切なく狂おしいほどにありがたい夢を見せる女。 それが、とどさん。 (・x・)b「アナタたち、気付いてましたか?」 とどさんは親指を立てて密集している三人へと言う。その声はダイアモンドの輝き。穏やかに海に流れこむ川の流れのように穏やかだった。 (・x・)b「私が出るということはここは夢なんですよ?」 ――全ては夢オチだった。 『なんだってー!』Σ(`・ω・´||)Σ( ̄x ̄||)Σ(||||| ) 言葉はない。ただ、親指を立てるだけ。 (・x・)b |