『終幕』



 もう終わりにするのさ 傷つけるだけの関係は



 お互い棘に触れた後のように いつしか体は消えない痕が増えていった



 優しさは君を貫く剣だった 愛しさは僕を縛る鎖だった







 僕らは互いに何を得たのだろう 僕らの時間は何のためにあったのだろう



 好きあっていたのに別れなければいけないのは 何故なんだろう



 一番近い他人を求めていたのに 気づけば近すぎることに痛みを感じていた



 もう二人で部屋にいることも無いと 僕は一人で泣いていた



 君の温もりが残るこの部屋で 何の体裁も取り付くろわずに







 けして無駄ではなかったと聞かせてほしい



 互いに確かに必要としたのだと確信させてほしい



 全てが終わるその前に 幕が下りるその前に



 二人の時間が終わる前に







 もう終わりにするのさ 傷つけるだけの関係は



 二人の想い出までも傷つける前に……