『セピア色の彼方』



 あれからどれだけの人々が 僕の中を過ぎていっただろう



 今 目の前に どれだけの人が佇んでいるのだろう



 過去に無くした心の欠片 どこかに落とした心の欠片



 探す間もない時の中で 僕はいろいろ捨ててきた



 僕の幼さのために 大事な物まで見失った



 もしも過去に戻れるのなら 時間をあの時に戻せるのなら 僕は喜んで戻るだろうか



 過ぎ去った時間の中に 確かなものなど何も無い



 セピア色の光景は すでに『過去』なんだと 僕は理解した





 セピア色の彼方に 君の姿を見つけたよ



 今とは少し違うその笑顔 それでも君は変わらない



 たとえもう出会う事が無くても 君との思い出は変わらないから



 アルバムの中に閉まっておくよ





 たとえ思い出と言う言葉で 君の姿を隠せないとしても 僕は変わりたい 



 もう君に出会う事は無いから 君への思いを忘れよう



 僕を縛る鎖 過去へと変わっていく



 僕が先に進むために 君を愛した事を誇れるように



 さようなら 君よ



 セピア色の彼方へ……