『Moonlight』





 こうしてこの道を歩くのも あともう少し



 仲間と共に歩いた道も やがて離れる時が来る



 いろんな物が見つかった 心の中に刻まれた



 そんな穏やかな安らぎを 手放す時がきたんだ



 これから先に会うこともあるだろう



 また集まって賑やかに同じ時を過ごせるだろう



 それでもこの時は戻ってこない たった一つの『今』だけは







 だから歩くんだこの道を 僕が歩んだこの道を



 月明かりの下 冷たい雪が降る中で たった一つの暖かい物を胸に







『友人の定義』なんてもの 何処にも無いって気付いた



 自分がそうだと思うなら お互いそうだと思うなら



 確かに二人は友なんだから 離れていても友なんだから



 これから先にすれ違う事もあるだろう



 離れた事で気付かなくなる思いがあるだろう



 でも変わらない時もある あの時過ごした『思い出』だけは







 だから歩くんだこの道を 僕が進んで行くこの道を



 月明かりの下 白いべールに包まれて 心に閉まった思い出を胸に







 確かに悲しいんだ



 青春を過ごした友達が傍にいないのは



 でも一人で挫ける事は無いんだ



 だって眼を閉じれば そこにいるんだから

 





 皆の背中を見ていた僕も やがて背中を見せるだろう



 交わる事の無い道でも 僕は進んで行くだろう



 月明かりの下 手探りで遅くとも しっかりと道を踏みしめて……







 歩いていこう