「あるさすらい刑事」

(2003年3月3日の日記より抜粋・改稿)
========================================
日付の日に再放送していたのですが、この時の話はかなり傑作だったので感想書いてみます。


ストーリーは、主人公の香取刑事は親友の結婚式に出るために小樽に行きます。ここで札幌、小樽が出てくる時点でかなりポイント高いです。
その親友というのは十年前に付き合っていた元恋人で、結婚寸前まで行っていたそうです。

それがなぜ破談になったか。

それは彼女の弟の傷害事件が原因でした。
警察官の結婚相手の親族に犯罪者がいてはいけないようなのです。香取刑事は彼女を選ぼうとしましたが、彼女は香取刑事に刑事を続けてもらいたい一心で自分から身を引きます。
東京から札幌に帰る電車に香取刑事が彼女を乗せて一言。


「俺達、親友になろう! そうすれば、また会える」


その言葉に彼女は救われて今、結婚式に香取刑事を呼んでいるのです。

だが、ここで問題が発生しました。彼女の弟がまたしても犯罪の容疑者になります。
同じ辛さを味あわせてしまうのかと悩む香取刑事。
そして、弟は犯罪を犯したことが完全に発覚し、結婚式の前日に彼女と両親に伝えられ、彼女は結婚を断ります。

香取刑事は何が大事なのかと仲間に迫られ、彼女を取る事を決心します。


結婚式の当日に教会に何も知らずにやってきた弟を逮捕し、彼女と新しい人生を歩もうとする香取刑事。
だが上野行きの電車に彼女は荷物を持っては来ませんでした。


「十年よ。十年かかって、あなたを親友だと思えるようになった。それを一日で埋めるには、短すぎる」


そう言って彼女は十年前とは逆に、香取刑事を電車の中へと誘います。

「私達、親友でしょ。また会えるわ」

十年前とは全く逆に。
しかし彼女の優しさは変わらずに香取刑事を乗せた電車は上野へと発車するのでした。

香取刑事がこう書いていると何となく女々しい気がしますが、僕はストーリーも切なくて、演出も気に入ったのです。

十年前に別れる際に二人が取った行動を全く逆の立場で十年後に行動する。
このシチュエーションに、二人は本当に親友になれたんだなぁと、歳月は微妙に二人の関係を変えてしまったけど変わらないものがちゃんとあるんだと伝えている気がして、感動しました。
泣きはしませんでしたけど。

このシリーズ、「はぐれ刑事」や「はみだし刑事」よりも好きだったんですよね、キャストが。
でも主人公の香取刑事役の三浦さんが死去なさったのでシリーズが消滅してしまったのが残念。