「君が望む永遠」
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はいはい、レビュー第九弾は「君が望む永遠」
パソコンゲームなのです。
でも僕はそのゲームをやってはいなく、小説化したのを読みました。
いやー、久しぶりに感動してしまいましたね。
白陵大付属柊学園に通う主人公・鳴海孝之は高校三年生。
同じクラスの親友・平慎二や水泳のエリート・速瀬水月と賑やかな毎日を送っている。
孝之は夏祭りの日に絵本作家を目指す水月の友人・涼宮遥と知り合い、後に告白される。
最初は水月との友人関係を壊したくない一心で交際をOKした孝之だったが、そのぎこちなさに困惑する。
終わりかと思われた二人の関係だったが、水月の助言によって孝之は本当の気持ちに気づく。
そして、遥に告白された場所で孝之は改めて遥に告白。
二人は本当の恋人同士になるのです。
遥の妹で水月を尊敬する涼宮茜とも仲良くなり、充実した日々を過ごす。
しかしその幸せも一月しか続かなかった。
遥と一緒に絵本作家展を見に行く事になった孝之。
途中で水月に出会い話しているうちに時間に遅れてしまう。
遅れて待ち合わせ場所に来てみるといるのは野次馬と警官。
警官が無線で連絡した際に口にした名前は、涼宮遥だった。
突然の交通事故。
遥は、一命は取り留めたものの目覚めなかった。
家族の悲しみを自分のせいだとせめて衰弱していく孝之。
受験も捨て、遥のためだけに毎日病院に通う日々。
一年が経って、遥の父親は孝之の将来を考えてもう来ないで欲しいと告げます。
娘が危機的状況でも他人を心配する父親に孝之は何も言えず、黙って病院から遠のくのでした。
遥の事故から三年が経過し、孝之はフリーターになっていました。
ファミレスのバイトをしながら日々を何も目標なく生きている。
その隣には水月の姿があった。
遥への見舞いも拒絶されて空虚な心のまま家に閉じ篭っていた孝之を、水月は毎日励ましつづけます。
目指していた水泳選手の道も捨ててOLをしている水月。
孝之にとって自暴自棄だった時期を共に過ごした水月は、無くてはならない存在になっていました。
そこに舞い込む吉報。
遥の目が覚めたというのです。
三年越しの再会。
遥は記憶障害が起こって三年経っている事は分からない。
しかも状況認識能力も障害があるために孝之が年を取っている事も分からない状態でした。
時が過ぎている事を隠して面会する孝之、そして水月。
しかし三年間はいろいろな物を変えてしまったのです。
付き合うようになった孝之と水月。
恋人を捨て、親友を新しい恋人にした事に怒りをぶつけてくる茜。
その中で三年前と変わらない瞳を孝之に向けてくる遥に、水月は恐怖を覚える。
孝之が取られてしまうのでは? と。
徐々に記憶を取り戻した遥はある時、孝之の不注意から時間が経っている事を悟ります。
一度は危険な状態に陥りながらも、回復する遥。
完全に記憶が戻って遥は孝之と水月の関係を認めます。
遥も水月も傷つけたくないという狭間に苦しんでいた孝之。
しかし、遥は孝之が思っていたよりもずっと強い女性であり、自分が悩んでいる事こそ遥を苦しめている事に気づきます。
また姉と付き合って欲しいと懇願する茜。
しかし孝之は自分を支えつづけてくれた水月を最後に選びます。
そして今の関係を認めた上でもとの関係に戻ろうとする孝之。
しかし、親友だった水月と遥の溝はもう戻る事は無かったのです。
遥の潔い様子に腹が立った水月に怒りをぶつける遥。
そのことがきっかけで遥は二人の前から消える道を取ります。
孝之は最初は否定しますが、遂に決めます。
「さよならは、笑顔で」
最後まで強く、潔く遥は孝之に別れを告げました。
孝之も水月と共に過ごしていくと遥に言い、その場から去るのでした。
数年後、孝之は本屋で一つの本を見つけます。
作者は「むらかみ はるか」
タイトルは「ほんとうのたからもの」
遥は絵本作家になる夢をかなえていました。
そしてその内容は水月と孝之の思いを伝えてくれたのです。
水月と孝之はお互いに笑顔で寄り添いました。
ずっと心にあったしこりが、ようやく全てなくなったのでした。
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第三者的な視線で見れば、孝之の決断は至極当然な結果なんですよね。
一月付き合って、悲劇的な別れをした恋人。
絶望の淵から救い出してくれた親友。
どちらを取るかっていうのはやはり後者でしょう。
でも人間、落とした財布を思いもかけない所で拾ったなら拾ってしまうのです。
突然失った大切な物が目の前にあるならば手を伸ばしてしまいます。
このゲームはゲームだけにもちろん遥とまた恋人同士になるシナリオもあるでしょう。
僕はあえて、このゲームはしないです。
なぜならこの小説版の流れで一つ、作品が完結しているからです。
おそらくこの小説の流れ以外は、うまくまとめてもどこか不自然さが残るはずですから。