「Q・E・D」

2003/9/19
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超久しぶりのレビューです。

今回のレビューは「Quod Erat Demonstrandum」〜「Q・E・D」をお送りします。

これは何語かは僕にも分からないんですが(おそらくドイツ語)「証明終了」と言う意味

のようで、文字通り事件を証明し、解決していく物語です。

主人公である燈馬想は十六歳にしてマサチューセッツ工科大学を卒業して日本の高校に入

学しなおした男の子。周囲からは変わり者と称され、少し距離を置かれています。

一方ヒロインである水原可奈は警察官の父を持ち、曲がった事が大嫌い。厄介ごとに次々

と首を突っ込んでいきます。

友人の父親の殺害事件に関わった事から二人は知り合い、そこから関係が始まります。

燈馬君はそのすぐれた頭脳を用いて推理を展開。まるで数学の証明問題を解くかのように

人の感情が入り組んだ事件を解いていきます。水原さんはその抜きん出た運動能力であち

こち飛び回り、情報を集めて燈馬君の推理を手助けします。

二人のコンビネーションが光ります。



このお話は金田一少年やコナンのような謎解き漫画とは少し違います。それは主人公の燈

馬君の成長話という点です。

燈馬君は昔から自分の感情を機械のように冷静に抑えられるという特性を持っています。

そして人間として大切な何かが欠落しているかのように見られるのです。しかし充分に人

間的な水原可奈との出会いによって少しずつ自分が人間らしくなっていく事に戸惑い、で

も嬉しく思う様子は「主人公の成長」という読者を引き寄せるツボをついています。



この漫画が凄いなぁと思う点は、大抵推理漫画には原作者がいるものですが、この漫画に

はいないということです。この漫画はマガジンZという月刊誌に隔月連載されていますが、

その二月の間に話を考え、書いているというのは多大な労力を消費しているのだろうと関

心します。

これからどこまで続いていくのか分かりませんが、これからも期待の作品です。





おすすめの作品は

「魔女の手の中に」「ゲームの鉄則」「凍てつく鉄槌」「褪せた地図」ですね。

タイトルも好きなものばかりです〜。



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