「スクライド」

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レビュー第二回は先年の終わりにアニメが終了した『スクライド』です。
これはかの有名な「ガンダムW」をトミノ先生と共に創った矢立肇さんが原作なのです。
漫画とアニメが同時並行し、違った物語を展開するという企画だったらしく、
アニメを見たあとに漫画を読んだ僕にはさっぱり分からんキャラがいました。

簡単にストーリーを言うと、
横浜中心に30キロほどが日本本土から切り離されてしまうらしいです。
そしてそこは無法地帯《ロスト・グラウンド》となってしまうのです。
そこは『アルター』という特殊能力を発現させた人達がひしめいていました。
主人公はそこで生きる青年『カズマ』
何でも屋をして生活しています。
んで、ある日《ロスト・グラウンド》の秩序を守るための組織
『ホールド』の対アルター使い部隊『ホーリー』っていうのがありまして、
そこの部隊長である『劉鳳』と『カズマ』が対決して
『カズマ』はボロ負けしてしまうのです。
第一話にして壁にぶつかる主人公。
それから、彼等の闘いの日々が始まった――――みたいな感じです。

彼等の闘いを中心に物語は進んでいきます。
《ロスト・グラウンド》に住む人々を蔑む日本本土の人々。
裏で計略を張り巡らせて住民達をどんどん強制労働させていく『ホールド』
その闘いの中での幾つもの死。
果てしない人間くささがガンダムに通じるものがあります。

この作品はもう一言『熱い』に限ります。
メインの登場人物達は男も女もそれぞれ譲れぬ信念を心に秘め、それに従って進んでいきます。
もちろん、自分の道理に合わないものには抵抗する。
ある者は命を落とし、ある者は最後まで生き残る。
生き残った者の内『カズマ』は支配を嫌って反逆しつづけ、
『劉鳳』は無法を嫌って秩序をもたらす戦いを続けるのです。
アニメにしては珍しく、心理的描写が多く含まれていて見ごたえあり。
はっきり言ってその後の○ャーマン○ングよりもよっぽど面白い。
これが続けて流れた時のギャップが悲しかったなぁ。

中盤から最後にかけてはこのライバル同士が手を取り合って一つの巨大な悪
に立ち向かっていって力の頂点を極め、倒した後はお互いの勝負にけりをつけるという形で
アニメは終了するのです。
最後に画面の下から伸びる一本の手。握られた拳。
それはどちらの手だったのか………
久しぶりにジン、ときました。
アニメでそんな感覚になるのは『VS騎士』以来だなぁ。

主人公キャラも、サブキャラも偏り無くかっこいいこの作品。
最近立ち読んだアニメ雑誌の投票では票がほとんど入って無かったです。
男は入ってましたけど、女の子は皆無です。
この作品の女性陣は男キャラとして出してもかっこいいくらいだったので、
女の子ランキングに乗るような人たちではない。
それもまた「スクライド」っぽさだなぁ、と思いました。

しかし一つだけ納得いかないものがあるのですよ。
それが主人公『カズマ』なのですが。
彼は『ロリコン』なのです(汗)
サブキャラの中に『由詫かなみ』と言うキャラがいるんですが、
実年齢はいくつか知りませんが、みる限り小学生。
一応彼女の『アルター能力』ってのが精神感応能力みたいなやつで、
話の最初に彼女の夢って形で話のヒントみたいな奴が流れる形式なのです。
○anonの途中までみたい(汗)
「かずくん」
「かなみ、その呼び方は止めろ!」
とじゃれあう二人。
止めろと言いつつ『カズマ』は嬉々として呼ばれてるのです。
これだけはギャップがありましたね。
それが狙いだったのかなぁ?

まあこんな所ですか。

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今のところ『スクライド』は僕の中で第二位くらいのアニメです。
はっきり言ってしまうとアニメのほうが漫画の方よりも断然面白いということです。
漫画から入ったのなら、まあ違う考え方も出来るんでしょうが、
アニメから入ると漫画はどうも敬遠します。

「ブギーポップ・ファントム」
「スクライド」
「魔術師オーフェン・リベンジ」
「VS騎士ラムネ&40炎」
「カードキャプター桜」

がまあベスト五ですね。
どれが一位かは僕にも分かりませんが。
余談だが、「桜」のクオリティってこのアニメを並べてみるとやっぱ高いなぁ。
NHKも頑張ってたな