「彼氏彼女の事情」

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レビューもいよいよ十回目。
何かすげぇと思える者を書こうとか思ったんですがこれにしました。
なぜなら、最近に最新刊を購入して読んだから!


自分を良く見せる事に快感を覚える超見栄っ張り、宮沢雪野。
彼女は自分の欲求を満たすために県内トップクラスの高校に進学。
入学式での新入生代表、そこからのトップロードを雪野は夢見るが、その野望はいきなり崩れた。
代わりに新入生代表になったのは有馬総一郎という男。
この時から雪野は有馬を敵視するのだった。
それから事ある事に有馬と張り合う雪野。
頭脳、運動神経、ルックス全てにおいてパーフェクトな有馬。
自分のように作られた物ではなく本当の才能を備えた有馬に雪野はやがて劣等感を持つ。
しかしある時、有馬が雪野に告白。
優位性を取り戻したと喜ぶ雪野だったが、その後に自分の本性をひょんな事から見せてしまう。
雪野は有馬の奴隷(?)となるが、その内に有馬へと恋心が芽生え、付き合い始める。
お互いに自分を偽っていた事を知り、本当の自分を出していこうと誓い合う二人。
そして二人の高校生活は進んでいくのだった。


てな具合で学生生活が描かれていくのですが、それだけでないのがこの漫画。
それは有馬総一郎の存在。
彼の一族は医学界にその名を知られている一大勢力。
その中で彼の父親は異質で、暴力沙汰を起こして失踪します。
彼は叔父に育てられますが風当たりはとても厳しい物でした。
虐められていることを隠し、いい子でいることで何とか自分を保っていたのです。
そこで雪野と出会い、彼女を心から求める事で皮肉にも自分の中の本性が現れてきてしまうのです。
「憎悪」という本心が。


話が進み、有馬は自分と雪野があまりにも違うことに気づいてしまいます。
自分を偽ることをやめて世界を広げていく雪野に有馬は危機感を抱きます。
有馬の中の「本心」がささやきます。
「自分は宮沢無しではもうやっていかれない」
「宮沢はお前無しでもやっていける」と。
置いていかれる不安の中にあって唯一共有していた「学年一位を争う」と言うこと。
遂に雪野はそれさえも有馬に受験勉強の時期まで譲る、と言い出します。
最後の境界が消え去った時、彼の心は「本心」を受け入れてしまうのでした。


現在は「有馬編」という名目で話が始まっています。
三年も十月に入り、進路を考える時期。
有馬は全てにおいて学校でかなう者がいなくなりました。
全国模試でも一位。
その持った能力全てを使って一族に復讐する決意を固めるのです。
さて、どうなることやら。


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この漫画、主人公カップルの存在もすごいですがサブキャラ陣も凄いです。
ビジュアル校内一である男・浅葉
バレー部のエースで運動神経抜群の佐倉
その彼氏は勉強、運動能力共に上位でルックスもまたいい十波
医大を目指せる頭と顔の井沢
父親はデザイナー、恋人である義弟は人気バンドのヴォーカルである美少女・芝姫
小説家である沢田
デザインがプロに認められるほどの瀬名

なんかこう、他の漫画では主役を張れる位の設定を持っている人ばっかりで構成されてます。
実際に作中に彼等が主役の回も存在してるし。