『浮気』



「忠彦さんに、間違いないですね」

 探偵の差し出した調査書に添付された写真に写るのは、ラブホテルに入っていく夫とその相手だった。

 秋絵はこみ上げてくる感情を抑えきれずに口に手を当てる。

「まさか……そんな……」

「お相手は知ってる方ですね?」

「……私の友人です」

 声に含まれるのは絶望。

 裏切られたという落胆。

「こう言っては何ですが……残念ですね」

「ええ」

 秋絵の視線は、写真に写る男二人に向けられたままだった。



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