『ソーダ味』



「お前いつもそのアイスはソーダ味だよな」

「おうよ! やっぱりソーダ味最高だぜ!」

 篤は隣でがりがりとソーダ味のアイスを食べる優を微笑ましく思った。

 幼稚園の時からもう三年の付き合い。

 夏も冬も春も秋も舌を青く染め、顔を満足に緩めながらアイスを食べていた優。

「あー、当たり早く出ないかな」

 優の言葉は篤の心を抉る。

 真実を伝えられない篤を抉る。

(ごめん。優)

 篤は言えなかった。

 当たり棒は存在しないとは。



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