『風化』



 その滑らかな頬。

 少し大きめの瞳。

 柔らかそうな唇。

 触れるとさらりとした触感が気持ちいい髪の毛。

 何から何まで理想の君。僕にはもったいないくらい。

 だから、君が僕の告白を、そしてプロポーズを受けてくれた時はとても嬉しかった。

「愛してる」

 風化せず永遠に残る言葉。

「昔取ったビデオ見ながら何言ってるの?」風化した妻が言った。


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